2025年8月2日から16日までの15日間、米国テネシー州ノックスビルにあるテネシー大学にて、本学学生4名が研修に参加しました。テネシー大学との学術交流協定は1995年に締結され、その年から学生派遣が始まり、今年で30周年の節目を迎えました(Covid-19による中断を挟み第28回)。
研修前半は英語研修(English Language Institute;ELI)および大学関連施設の見学、さらにテネシー大学獣医学部と深い関わりを持つノックスビル動物園を訪問しました。ELIでは英語の発音やリズム、臨床現場で想定される会話表現を学ぶとともに、アメリカと日本のコミュニケーション文化の違いについて理解を深め、臨床研修に備えることができました。
大学施設の見学では、教育や研究の現場を直接視察しました。小動物・大動物それぞれに大型のリハビリ施設が備わり、日本では見られない規模と充実度に驚かされました。また、ピットブル犬を用いた解剖実習の様子を拝見し、日本ではビーグル犬が一般的に使われることとの違いに触れ、獣医学教育にも文化や背景の差異が反映されていることを感じました。大学構内には超大型のフットボールスタジアムや公式グッズショップが立ち並び、学びの場を超えて地域と学生を結びつけるアメリカならではの大学文化を体感しました。こうした仕組みが、学生たちに大学への愛着や誇りを育む大切な要素となっていると強く感じました。
ノックスビル動物園ではバックヤードを見学し、飼育員から直接説明を受けました。同園には常勤獣医師が3名のみですが、緊急時や専門的な診療にはテネシー大学附属動物病院が対応しており、大学病院の学生教育にも直結しています。こうした大学と動物園の密接な連携体制は教育・研究両面で大きなメリットをもたらし、学生にとっても幅広い学びの機会となっています。園内ではアルダブラゾウガメ(160歳超)、イボイノシシ、リカオン、オオミミギツネなどに加え、地元に生息するブラックベア、赤オオカミ、カワウソなど多彩な動物を観察しました。
後半の臨床研修では、2人1組となり、整形外科、コミュニティプラクティス、皮膚科、馬科、救急科、腫瘍科をローテーションで回りました。診察・検査に加え、実際の手術の見学や、馬からの採血を体験するなど実践的な機会も得ました。さらに症例検討(ケーススタディ)に参加し、積極的に発言するアメリカの獣医学生の姿勢に刺激を受け、多くの学びを得ました。
休日には、ノックスビルから車で約1時間の世界遺産「グレート・スモーキー山脈国立公園」を訪れました。渓流や滝が点在する豊かな自然を歩き、アメリカの雄大な国立公園の魅力を体感しました。運よく子どもを連れたブラックベアの母子が道路脇を歩く姿を観察することもでき、忘れられない経験となりました。
今回の研修は、学生にとって初めての海外臨床研修でしたが、戸惑いながらも終始前向きに取り組み、日本とアメリカの臨床教育の違いから両国の良さを学び取りました。さらに、アメリカの学生の意識の高さに刺激を受けるとともに、自分たちの学びが十分通用することを実感し、今後の大学生活や将来を見据えるうえで大きな財産となりました。






