グリーン環境創成科学科生態情報解析学研究室(兼 生物環境科学科 動物生態学研究室)では、青森県十和田市周辺で、シカの採食の影響を検出するための植物の調査を行っています。
ニホンジカ(以下、シカ)は、全国各地で農業や林業、生態系にさまざまな被害を与え、問題となっています。こうした被害が起こる理由の一つに、シカの生態があります。
ニホンカモシカのように自分のなわばりをもつ動物とは違い、シカは群れをつくって生活します。群れで行動する動物は、同じ場所にたくさん集まりやすいため、数が増えると、その地域で被害が起こりやすくなります。
私たちは、青森県でシカの被害が問題になる前の2015年から、十和田市とその周辺で植物の調査を続けてきました。今年の9月にも、十和田八幡平国立公園の中のある調査地点で、2016年、2021年に続いて調査を行いました。
その結果、今年の調査では、植物の種類の数や量、森林の樹木の構成において、シカによるはっきりとした影響は見られませんでした。この地域ではシカの目撃数は増えていますが、今のところ、シカの採食の影響は、森林が回復できる範囲におさまっていると考えられます。
まだシカの影響は現れていませんでしたが、将来、シカの数や食べる量が増え、森林の回復が追いつかなくなる可能性もあります。そのような変化を早く見つけて対策ができるように、私たちはこれからも同じ場所で植物の調査を続けていきたいと考えています。
【今年度の調査は、公益財団法人青森学術文化振興財団からの助成を受けて実施しました】




