土壌に棲む微生物の不思議を解き明かして地球を知る【グリーン環境創成科学科】

微生物を世界で初めて見つけたのは、アントニー・ファン・レーウェンフック(1632年~1723年)です。レーウェンフックが考案した顕微鏡は手のひらサイズ。長方形の板の中央にガラスのレンズをはめ込んだ、いたってシンプルなものでした。彼はこの顕微鏡と精巧なスケッチで、肉眼では見えない微小な世界を切り開いていきました。

先日の講義では、この顕微鏡と同じ原理で作られた顕微鏡をスマートフォンを組み合わせた“現代版アレンジ”で、コウジカビと酵母と土壌を観察しました。カビの菌糸や土壌の粒子など細かい部分まで良く見えて、盛り上がりました。(下図)

観察した土壌や微生物の顕微鏡写真

微生物は土壌をはじめ様々な環境に棲んでいます。ときに“バイ菌”などとよばれてしまうこともありますが、腸内細菌が私たちの健康を支えていることなどを想像するとわかるように、ヒトの健康は微生物ときってもきれない関係にあります。地球規模で考えれば、微生物は土壌や水を健全な状態にして動物や植物を含む生態系を維持するという大きな役割を担っています。農耕地では農薬や肥料の投入によりそれらの微生物が刺激を受けて、温室効果ガスを発生するなどの問題が生じています。一方で、温室効果ガスを取り込んで分解したり、環境を浄化するのもまた微生物の大きな役割です。そのような良い面、悪い面を持つ微生物の機能を明らかにして、地球温暖化の抑制などに役立てようというのが私たちバイオマスリファイナリー研究室の目指すところです。

 もちろん、研究を進めていくなかで、微生物そのものの不思議さ・オモシロさも感じることができます。土壌の中で微生物は、少ない栄養源を奪い合ったり分け合ったり、捕食者からどうにかして逃げて生き延びたり、いろんなことをしています。細菌が糸状菌の菌糸の上を駆け回っていることも最近わかってきました。土壌や環境で微生物がどのようにたくましく生きているのか、それを研究を通じて明らかにしていきたいなと思っています。

バイオリファイナリー研究室

多胡香奈子