第511回獣医学科セミナー< OB・OGセミナー・Cutting edgeセミナー>「マイコバクテリアの細胞膜をドメインに区分するための細胞膜および外膜構造」演者:門 武宏 先生(Assistant professor, Department of Biology Missouri State University)

2024-07-16
A棟3階 A31講義室

イベントの概要

以下の通り、第511回獣医学科セミナー< OB・OGセミナー・Cutting edgeセミナー>を開催します。

多数ご参集くださいますようお願いいたします。

第511回獣医学科セミナー< OB・OGセミナー・Cutting edgeセミナー>

【開催日】 7月16日(火)    

【会 場】 A棟3階 A31講義室    

【時 間】 17:00~    

【演 者】  門 武宏   先生(Assistant professor, Department of Biology Missouri State University)    

【タイトル】マイコバクテリアの細胞膜をドメインに区分するための細胞膜および外膜構造    

【要 旨】    

細胞膜におけるタンパク質と脂質の局在はランダムではなく、ドメインとして局在することで本来の機能を発揮します。人工膜を利用した研究において、ドメイン化は脂質の構成や他の膜との相互作用によって影響を受けることが分かっていますが、生細胞におけるドメイン化のメカニズムについてはほとんど解明されていません。本研究では、細胞膜のドメイン化を研究するためのモデル細菌であるMycobacterium smegmatisを用いて、細胞膜のドメイン化メカニズムの解明を試みました。M. smegmatisの細胞膜は、Inner Membrane Domain(IMD)とPlasma Membrane-Cell Wall(PM-CW)の2つに空間的および生化学的に分割されています。これらの膜ドメインは、ベンジルアルコールやジブカインなどの流動化剤によって一時的に破壊することができます。破壊後のドメイン化を顕微鏡で観察・分析した結果、M. smegmatisは破壊された膜ドメインを再形成する能力を持つことが判明しました。変異株ライブラリを膜流動化剤で処理し、ドメインを再構成できなかった変異株をスクリーニングすることで、膜のドメイン化に必須の遺伝子を同定しました。個別に遺伝子変異株を作製して分析したところ、ペプチドグリカン合成酵素PonA2、C19:0モノメチルステアリン酸を含む膜リン脂質の合成酵素Cfa、および外膜合成酵素Ag85Aが細胞膜のドメイン化を促進することが分かりました。これらのデータは、M. Smegmatisの細胞膜のドメイン化が、リン脂質の組成および外膜の構成成分に依存することを示唆しています。すなわち、内膜および外膜の構成成分が細胞膜を機能的な膜ドメインに分離することを示しています。    

メッセージ    講演の機会をいただき、大変光栄に思います。2019年に十和田で博士課程を修了した際には、外部研究者として北里大学で講演することなど想像もしていませんでした。講演では、2019年から2024年までポスドクとして過ごしたアメリカ・マサチューセッツ州での研究生活についても触れますので、海外への留学や就職にちょっとでも興味のある方はぜひご参加ください。